コンサル事例 ④

4.アパート建築に関する相談
相談

■ハウスメーカーから賃貸住宅の提案を受けている。

■営業マンが熱心なので決めてやりたいが、 他のメーカーの提案も受ける方が良いか?



提案・コンサル
■相見積もりは価格競争させる目的のみにある訳では無い。 他の営業マンに素晴らしいアイディアがあ
 るかもしれない。是非複数のハウスメーカーの話を聞いてみるべきだ、と助言。

■現在1棟8戸軽量鉄骨2階建での提案。不動産コンサルには基本的事項である敷地所有者と建築の目
 的を確認したところ、御主人と配偶者が持分1/2ずつで共有、目的は月極め駐車場より収益性を高め
 たい、かつ、相続対策になるかどうかも検討したい、というもの。

■御主人は医療関係の業務(経営者)。配偶者は資産家の出身で跡を取る必要あり。

■夫婦仲は良いため離婚の可能性は低いが、元々土地が1/2ずつの共有になっていのであれば建物を1棟
 8戸から1棟4戸×2棟にしてはどうか?角地のため完全に価値も半々に、とは行かないが何らかの事情
 で土地を分割することになった場合に分けることが可能、と提案。

■また、2棟にするメリットとして
 ①分筆して上物付きで単独で土地の切売りが出来る
 ②1棟4戸にすることにより、全てが角部屋になる。角部屋だと新たな入居者が付きやすいだろう
 ③2棟にすることによる初期投資が少し大きくなることを考えてもメリットの方が大きい
 と助言。


結果

■複数のハウスメーカーからの提案を受けた。
 1棟4戸の案は各営業マンには開示していなかったので、初めは計3社の提案は全て1棟8戸であった。
 よくある値引き競争になりそうだったが、うち1社がこちらが逆提案をする前に打合せの中から依頼
 主の意向を汲み取って1棟4戸×2棟の提案で作り直してきた。価格は最も安くは無かったが、そのハ
 ウスメーカーの提案を採用し決定した。

■狙い通り、退去者が出ても1か月もしない内に次の入居者が付く状態。

■建物を各々単独名義としたため、家賃は各々の通帳に直接振り込まれ、毎月一旦代表でどちらかが受
 け取って、按分して改めて振り込み直す、という手間からも解放された。
(管理会社によっては1棟共有名義の建物の場合でも別々に振り込んでくれるサービスも受けられる)

■その後、コンサル第2弾として、数年経って夫婦の子ども達が成人したことや、相続税の改正と建物
 評価の下がり具合を見て税理士に贈与税のシミュレーションをしてもらい、それぞれの建物を2人い
 る子ども達に1棟ずつ贈与することを提案し実行した。

■結果、建物から生み出される家賃は子ども達それぞれの収入になり、相続を1代とばすことができ、
 とても喜ばれた。

■尚、得られた家賃収入の運用先の一つに証券化商品という選択肢もある、と紹介してあったが、社会
 人である子ども達のうち一人は、その家賃収入をJ-REIT等の不動産小口化商品に再投資して配当を得
 ているそうである。不動産を切り口とした総合的な財産コンサルの一例となった。